デジタル全盛の時代、「AI革命」とか騒がれているご時世で、「アナログの再評価が起こる」と言えば、失笑を買うかもしれません。
デジタルという平面の世界は、データの希少性、通信速度、情報の質という「伝達性」以外の面でプライオリティを求めるのは難しい分野です。
また、電子機器の製造に関しても、規格が特定の寡占企業に特化している現状、経済合理性や産業としての多様性の面で、そろそろ頭打ちなのではないかと感じます。
アナログの世界というのは実際に形があって重量もあり、光沢や質感、感触や匂い、「モノ」としての個体性も存在し、「商品」として捉えても情報量がデジタルとは雲泥の差があります。
もし自分のサービスに「オリジナリティ」やプレミアムを求めるなら、安価でコピーと加工が容易なデジタルの世界には、やはり限界があります。
「独自性」を最大のウリとするためには、アナログの持つ複雑性に求める方がどう考えても合理的です。
私はこの「回帰」への潜在的な需要が、現段階でマグマの如く存在するのではないかと思っています。
しかし誰もがスマホで用を済ませる時代だからこそ、そういったニーズが表面化しにくいだけではないでしょうか。
ここに産業の空洞化と、実体経済の衰退という現実があるのですが、長期的な視野で経済合理性を求めるならば、完全な代替ではなくともアナログへの移行は避けられないように思います。
例えば、個人事業者の製品やサービスに調達する機材も自家製とか、特殊なノウハウの人脈があるからできるビジネスなど、地場産業がニッチ化することで経済全体に多様性が生まれます。
そこで発揮されるビジネスの独自性は国際的に訴求力も高く、「唯一無二」に近いプライオリティを持ちます。
かと言って、電子制御技術も所々で応用すれば良いわけで、「ニューアナログ」への時代的な流れは、経済的合理性を鑑みれば必然であるように思います。